「データは21世紀の石油」と言われているなかで、データを扱うための「統計学」が必須の基本スキルの一つとなってきました。資格試験の統計検定が注目されたり、データサイエンスの学部が新設されたりして、統計学に興味を持つ人が増えています。
「これから自分の専門分野を決める」「キャリアチェンジを考える」という場合においても、統計スキルを身に着けることで、データ分析・データサイエンスの仕事領域へとキャリアの選択肢が広がります。
すでに社会人の場合には、これまで「統計学」をしっかり学ぶ機会がなかったという方も多く、「統計ってどうやって勉強したよいのだろう?」と感じている方もいるでしょう。
この記事では、「統計学に興味がある」「統計学を学びたい」と考える方を対象に、以下のことをご説明いたします。
本記事の内容
- 統計スキルをキャリアに活かすキャリアシフト
- 社会人が統計学を学ぶ5つの方法
「これから本格的に統計学を学びたい」という方は、状況に応じて参考にしてください。
盛りだくさんの内容なので、目次から興味のある部分へ進んでくださいね。
当記事は、2021年5月の情報を参考にしています。
【目次】 クリックで項目へ
統計スキルをキャリアに活かすには今がチャンス!
多くの分野で「データ分析の重要性」が増すにつれて、かつては活躍の場が比較的限られていた数学系・データ系専門職は、今では最も将来性ある職種と考えられています。
統計スキルを求められる分野が広がりつつあるので、大学の専攻が文系だった方、理系でもデータ系・数学系を学んでこなかった方にとっても、まだまだチャンスは開けています。
現時点で直接的にデータ系・数学系の職種ではなくても、「事務職からマーケティングを目指すきっかけにしたい」「マーケティングからデータアナリストを目指したい」「コンサルタントとしてのキャリアをパワーアップさせたい」というケースなど、統計学を学ぶ価値が多いにあるといえるでしょう。
国際キャリアという視点でも、「データ系・数学系」の職種は、国境という制限なく活躍できる分野です。時代の流れを見ながら、統計スキルを活かしたキャリアへシフトしていくのは、「移動力「稼ぎ力」を増やすという点でもポジティブなキャリア選択になりますね。
統計スキルを活かして発展的なキャリアシフトへ舵をきろう!
営業職や事務職にいて、実は「マーケティングをやりたい」という方は結構います。
一般的にマーケティングは社内でも人気職でもあるので、マーケティングに関する素養や背景がないと社内異動も転職も難しいことが多いのですが、「営業経験」に「統計スキル」をかけ合わせることで、「ビッグデータビジネスの企画」など、異動や転職のチャンスにつながります。
このように、現在の経験に統計スキルを加えることで、今までのキャリアを活かしつつ、発展的にキャリアをシフトさせていく道が開けます。たとえば、以下のような組み合わせです。
- 営業経験 + 統計スキル ⇒ ビッグデータビジネスの企画職
- 経理の経験 + 統計スキル ⇒ 監査法人(ビッグ4)系のコンサルタント
- マーケティング + 統計スキル ⇒ マーケティングデータ分析
- コンサルタント + 統計スキル ⇒ データ分析に関するコンサルタント
以下の専門スクールでデータサイエンスを学ぶでご紹介する3つのスクールのように、転職のサポートを提供しているスクールもあります。統計スキルを活かして、キャリアの本格的なステップアップをめざす場合には、このようなキャリア支援も組み合わさったプログラムを選ぶのも選択肢です。
社会人が統計スキルを学ぶ5つの方法
ここでは、学生時代の専攻にかかわらずに、社会人が統計学を学ぶ方法をご紹介します。
それぞれの方法について、具体的にコースを提供している団体のウェブサイトを掲載しているので、興味があれば各サイトにて最新の情報を確認するようにお願いします。
1. オンラインコースで学ぶ
「統計学をひとりで学んでいくのはちょっと大変だな~」と感じる方には、オンラインのコースという選択肢もあります。自宅にいながら受講できるので、決まった時間に通うスクールが難しいという忙しい方にもおすすめです。
Udemyの統計コース
世界最大級のオンラン学習サイトであるUdemy にも、いろいろな統計学のコースがあります。
Udemyのコースはいつでも始めることができるので、「思い立ったらすぐに始めたい」という方におすすめです。
たとえば以下のように、さまざまなレベルのコースが用意されているので、自分の統計学の知識&スキルに合わせてコースを選ぶことができます。
- 【ゼロからおさらい】統計学の基礎
:統計学の基礎をゼロから学びます。エクセルを使った練習問題で分析手法を学び、仕事に活かしていくことができます。
- いちばん理解できる統計学ベーシック講座【確率分布・推定・検定】
:統計学の基礎を効率的に学べるベーシック講座です。
- 【はじめての統計学】 エクセルで学ぶマーケティング統計分析&戦略
:統計学の基本とExcelを活用して、マーケティング分析ができるスキルを学びます。


総務庁統計局のデータサイエンス・オンライン講座
こちらは、前項でご紹介した総務省統計局による無料のデータサイエンス・オンライン講座です。
日本初のMOOC(Massive Open Online Course)であるgaccoを通じて、本格的な統計コースが提供されています。大学教授等の本格的な講師陣による本気の授業を無料で受けることができる画期的な講座です。
下記の3つの講座が開設されており、年に何回かのタイミングで募集があります。
- 社会人のためのデータサイエンスサイエンス入門(入門編講座):統計やデータ分析の基礎が学べ4週間の入門編コースです。
- 社会人のためのデータサイエンス演習(実践編講座):仕事で使える実践的な統計分析・データ分析の手法が学べる5週間の実践編コースです。
- 誰でも使える統計オープンデータ(活用編講座):政府統計の総合窓口であるe-Statなどを用いて統計オープンデータの活用を学べる活用編コースです。
統計学に関する無料の学習サイトについては、以下の記事も合わせて参照してくださいね。
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統計学のオンライン学習サイト・講座おすすめ7選【無料編】
続きを見る
2. セミナーで学ぶ
「オンライン学習よりも、実際に教室で学びたい」と思う方には、短期間で学ぶセミナーや数週間にわたって学ぶスクールが選択肢となってきます。
セミナーの場合は、1日または数回までのものが多くなっており、限られた時間で集中して学びます。自宅で学習するのは難しいという忙しいビジネスパーソンにおすすめです。
教室形式で開催されていた各種のセミナーも、現在はオンラインで開催されるものが多くなっています。最新の情報をご確認くださるようお願いします。
統計検定の連携セミナー
統計検定のサイトでは、日本統計学会の会員で講義経験が豊富な講師による連携セミナーが案内されています。
年度によってセミナー内容・主催者は異なりますが、たとえば2021年度では、東京理科大学と京都大学による講座が紹介されています。
シグマインベストメントスクールの統計検定試験対策講座
金融理論の教育セミナーを提供しているシグマインベストメントでは、統計検定試験対策講座を開講しています。
2級&3級レベルのセミナーはたくさんありますが、その上となるレベルのセミナーはかなり限られています。シグマインベストメントでは、準1級と1級レベルのコースを開催していますので、上級クラスの級の受験を考える方には、貴重な選択肢といえます。
3. 数学スクールで学ぶ
大人向けの数学スクールで、統計学を学ぶことができます。数学スクールでは、体系的に統計学を学ぶことができるのが特徴となっています。
「すうがくぶんか」の統計講座
すうがくぶうかは、「もっと社会に数学を」をテーマに、大人を対象とした数学・統計学に関する講座を開講しています。
個人向けのコースが充実しており、リーズナブルな料金でしっかりと勉強できる内容になっています。
「和から」の統計教室
和からの統計教室では、大学生や社会人に向けた統計コースを提供しています。
統計学に興味をもつ社会人の方、統計学をキャリアアップに結び付けたい方などが、入門から機械学習まで統計学を体系的に学んでいくことができます。
5. 専門スクールでデータサイエンスを学ぶ
統計スキルを活かした本格的なキャリアを目指したい方には、専門スクールで「データサイエンスを学ぶ」ことを検討しましょう。
下記にご紹介する3つのスクールは、
- スクールによる転職のサポートがある
- オンライン受講が用意されている
- Reスキル講座として経済産業省に認定されている
- 条件を満たせば専門実践教育訓練給付金の対象となって、受講料の5割~7割が支給される
という特徴をもっており、統計スキルを活かしたキャリアシフト、キャリアチェンジにおすすめの選択肢です。
Reスキル講座に注目しよう!
Reスキル講座は、経済産業省が認定している高度な専門分野でのキャリアアップ講座です。
高額の受講料でも、専門実践教育訓練給付金を受けて、とてもお得に受講をできる可能性がありますから、自分が条件を満たすかどうか、ぜひ確認するのがおすすめです。(普通に会社員として勤めて、会社を通じて雇用保険に加入している場合には、条件を満たせる可能性は結構高いです。)
Reスキル講座の概略と、Reスキル講座でのデータサイエンス各コースについては、下記の記事でも詳しくご紹介していますので、参考にしてくださいね。
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【Reスキル講座】データサイエンスおすすめコース3選《転職サポートあり》
続きを見る
テックアカデミーの「データサイエンスコース」
TechAcademy [テックアカデミー] は、現役エンジニアから学べるオンラインに特化したプログラミングスクールで、全コースが転職サポートの対象です。
データサイエンスコース は、4週間~16週間のコースが期間が設けられているので、たとえば4週間にわたって短期集中して学ぶということも可能です。
※短期集中で学ぶなら・・・
データサイエンスコース (テックアカデミー)
AIジョブカレの「統計学+R」講座
【AIジョブカレ】人工知能技術専門プログラミングスクールは、未経験からAI ・データ分析の知識を学び、実務で使えるスキルを身につけられるスクールです。
統計+R講座は、全8回(隔週開催で約4ヵ月)の講座によって、R統計を実務活用できることを目標とした実務家育成のオリジナルカリキュラムです。ライブ配信と動画受講の両方の形態から選んで申し込みできるようになっています。
※仕事をしながらR統計の実務を学ぼう!
こちらのスクールでは、講座受講前に特待生として「転職を前提で内定をもらうと講座料が無料になる」サービス【AIジョブカレPRO】転職保証型AI研修サービスも提供しています。

※全額キャッシュバックで転職も実現!
データミックスの「データサイエンティスト育成コース」
データミックスでは、未経験から約6ヵ月でデータサイエンティストを目指せるデータサイエンティスト育成コースを提供しています。
統計スキル・データ分析のスキルを活かして、データサイエンティストとして本格的にキャリアを構築させていこうという方におすすめです。

※データサイエンスに特化したスクール
データサイエンススクール(データミックス)
まとめ:キャリアのパワーアップに「統計スキル」を活かそう!
データを扱う仕事が注目されるようになり、社会人が統計学を学ぶ方法も増えてきましたね。今だからこそ、統計スキルを持つことがキャリアの武器になりそうです。
当記事が、「統計スキルでキャリアをパワーアップさせたい」と考える方の参考になれば幸いです。
こんな方におすすめ
- Udemyの統計コース
:安価でさまざまなタイプの統計学コースあり&いつでも受講可能
- データサイエンスコース :テックアカデミーの統計学の基礎からPythonでの実務分析コース。4週間の短期集中も可能。
- 統計+R講座
:R統計を実務家養成のプログラム。約4ヵ月。AIエンジニアをめざす方にもおすすめ。
- データサイエンススクール
:データミックスの専門講座。約半年でデータサイエンティストへの転身をめざす。